2007年07月10日

「大日本人」  4/5点

「あの、かぁぁぁ〜の所からもっかいやってもらっていいですか?」







見ました。ついに。あれ、まだ「監督ばんざい」と「ゾディアック」が残ってる…。




意外と。




面白かった。






なんかグダグダなんだろうなぁと思いきややっぱりグダグダで最初の一時間は軽く寝そうになりましたが。



まぁでもやっぱり面白い。特にラストは会場でもかなりうけてたと思います。最初は一部の男とごく一部の女がクスクス、ニヤニヤくらいです。




まぁなんつーか全体的にユルユルです。テンポもクソもない。




テレビ番組のインタビュー形式で最後の15分まで進む映画です。


正直この形式は新しいと思う。これは褒めるところです。ずっとADっぽい人の視線と声で「獣」を倒す「大日本人」の一族である大佐藤(松本人志)を映し続けます。



ヒーローと怪獣の対決をテレビで放映して金を得る。こういう社会の構造になってるわけです。


やり方とか設定は新しいです。社会を小馬鹿っていうか馬鹿にしてる松本オリジナルの視点と言えます。


またその移し方も大佐藤が店に入るとしばらくは外のガラス越しの見にくい視点が続きます。その後は店主にインタビュー。まさに許可とって入りましたって感じのテレビ感が出てます。公園でのインタビューでは後ろでサッカーやってる少年が度々映ろうとするしそのシーンが5分近く一回も切れない長回しだったりします。




獣もなんか松本らしいグロテスクなのばっかりで。芸人使いすぎ感はありましたが。すべてにおいて。吉本儲かったろうなぁ。




まぁしかしガキ使のショージさんがやってるやつとかあんぐらいゆるい笑いに耐えられないともはや苦痛かもしれない映画です。万人受けは絶対にしないでしょう。



しかし中にはちゃんと社会風刺や国際関係の話題も含まれています。社会に対して怒るとネタになると言う松本の笑いそのものです。



俺は好きですよ?最後の15分は間違いなく笑えます。









劇中に出てくる松本が餌付けてるネコ。これは自由の象徴です。ほとんど飼ってる様な感じなのに野良猫だと言います。自由奔放な野良猫。これは松本がインタビュー受けている間に執拗に周りをグルグル歩き回っているところからもわかります。



それは完全に拘束され自由とは程遠い大佐藤のアンチテーゼと言えるでしょう。マネージャーにこき使われこだわりの腰にまでスポンサーのロゴを入れてしまう大佐藤。変身の大切な儀式をADにもう一回と言われやり直さなければならない大佐藤。最終的にお金のために無理やり変身させられ獣と戦う大佐藤。アメリカのヒーローに馬鹿にされる大佐藤。




この大佐藤こそがタイトル通り、日本人のイメージと言うわけです。


強敵である赤い角を持った獣は北朝鮮。そして最後に助けに来てその獣をボッコボコにするスーパージャスティスはアメリカです。


一度赤い獣に敗れた大佐藤は逃げ出して社会に批判されます。その後は失敗続きで評価はがた落ちの大佐藤。最終的にはマネージャーやら軍隊やらの陰謀で視聴率のためむりやり赤い獣と再戦させられます。
おじいちゃんの助けを借りてもやっつけることは出来ずおじいちゃんは死に、大佐藤もボッコボコにされます。

ここで突如CGから実写に変化し、昔のウルトラマンみたいな戦闘に。そして明らかにウルトラマンのパクリのスーパージャスティスが現れ、有無を言わさず殴り倒す。バスやら丸めた新聞紙やらなんでもありでボッコボコにします。



まさに貧弱な日本、それに対して調子に乗る北朝鮮、それらを虫を潰すがごとく蹴散らすアメリカ。アメリカの圧倒的な強さを出すために最後だけ実写になります。そう、もうなんていうか笑えるほど強い。卑怯と言える強さです。そして大佐藤を連れて颯爽と故郷の星に帰ります。


エンドロールではスーパージャスティスの反省会でまずはジャスティスの母にジャスティスが怒られますが、最終的にはジャスティスに大佐藤がキレられ、すいませんといって終わる。



そんな日本の軟弱さを映画でうまく表現できてたと思います。まぁ初めてならこんなもんじゃないでしょうか。ちょっとストレートすぎるのも松本の味なんだろうか。



ともかくテレビ形式というは新しくはあるけど、言わば松本の土俵なのでうまいのは当たり前です。二作目を見て真に優れた監督かわかるんじゃないでしょうかね。
posted by ヤマ at 01:00| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画(ネタバレあるかも) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうか、そこまであからさまな比喩と暗喩で構成されているのなら、あながちワケワカメということにもならないのだろうけど。
しかし万人ウケする作品を作るのもプロに科せられた使命。エゴイスティックな作品は自主制作にとどめておくべきだぜ。

一番にアイロニカルな部分は、さてそうして日本人をバカにしてみせた監督本人が金に操られているところなんでしょうね。
自己表現の一種なら、カンヌでボコられても不満そうな感想を漏らすわけもなく。いとをかし。
Posted by Teddy at 2007年07月10日 01:16
わけわからんのは松本の笑いがわからん人だけでしょう。

なんというか吉本の重圧やらいきなりカンヌに招待やらでどっちつかずになったのかと。金は正直腐るほどあるんでしょうから。まぁ世間というか会社が許さなかった感がありますね。最初から最後まで吉本アピールしてましたから。
Posted by yama at 2007年07月11日 23:56
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